デンマークから学ぶ公共のあり方とは

4月にお休みをいただいて、デンマークに行ってきました。

デンマークといえば…。 幸福度ランキング世界2位、福祉・環境の先進国、税金の高い国、投票率80%...。 資源が少なく自然が厳しい貧しい国だったために、公的サービスによる社会保障制度の充実が必要となったことが福祉大国の源流となっているといいます。 1960年代以降、高度成長期には労働者不足を解消するために女性の社会進出を進めることになり、育児や介護を社会福祉として充実させてきたことが、ジェンダーの問題解決にもなっているとか。

資本主義大国で格差だらけの日本とどう違うのか? 見てきたことをレポートします。


移民問題と自治区CHRISTIANIA

北欧の中でも特にデンマークは移民を多く受け入れてきた経緯があります。公園や図書館などの公共の場所での移民政策のこと。そして、コペンハーゲンの中心に「自治区」が存在します。トップダウンではなく住民が対話を重ねてルールを決めていくその過程は民主主義そのものだと感じました。
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フォルケホイスコーレに体験入学

デンマークには独特の国民学校「フォルケホイスコーレ」というものがあります。民主主義思考を育てるとして、入試や成績表はなく、学費も全て無償。国籍や年齢も問わず、全寮制で一緒に生活をしながら、アートや暮らしのこと、工芸や宗教などを学びます。この学校に体験入学してみました。

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エネルギーと環境問題への取り組み

資源が少なく、エネルギーを石油に依存していたデンマーク。1970年代のオイルショックをきっかけに、政府は原発を推進しようとしましたが、国民運動から1985年に原発を使わないことを決議し、再生可能エネルギー政策を進めています。環境に配慮したごみ焼却施設は屋上にスキー場がありました。

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おひとり様大国の孤独対策、「fællesspisning」

 OECD加盟国でひとり親の貧困率は1位は48.3%の日本。最下位はデンマークの9.7%。つまりひとり親でも子育てに困ることがないということで、カップルの50%は離婚するというデータもあります。これは、一人でも子育てしやすく、18歳になれば子どもたちは自立するというのが一般的な欧米ですから、単身世帯が多くなっているというのも理解できますが、それが社会問題にも繋がっています。
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